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サチレート

好きな人に好きと言えなくなってもうずいぶん立つ。

ずっと言えない言葉は鉛のような液体になって体内にある給水塔のような円筒状の筒に蓄積し、時々、飽和状態を迎える。

独り言でつぶやきながら、少しづつ溶かすけれど、つぶやいて溶かす速度よりも蓄積する速度の方が早く、あふれた言葉は涙に変わり床に落ちて染みを作る。

涙が止まった後、表面張力で今にもあふれだしそうに見える筒は語りかける。

「あんたはもう終わりなんだ。あきらめた方がいい。」「あんたの穴は、誰にも埋められやしない。」

目に見えないタバコを吸いながらつぶやく。

「早熟で、大器晩成。か、、、。」「ありえねぇ。俺は一番最初に咲いた花だ。周りが咲いていないからたまたま目立ったかもしれないが、ろくに養分をとってないから花は小さいし。咲いてしまった以上、後はもう枯れるしかない。正直、限界なんだ・・・」

結局俺は、俺自身から逃げ続けている。